石川県大野市にあるからくり記念館で大野醤油について展示されていました。
展示の案内を読んでみると興味深かったのでまとめてみました。
大野醤油の誕生
約400年前に大野で醤油作りがはじまった。
約400年前の当時、大野の町人である直江屋伊兵衛は、百万石大名の前田家三代目藩主前田利常に命じられ醤油醸造法を学び伝えた。
醤油醸造を学んだ地域は紀州湯浅から学んだと推測されています。
下記の条件が揃い大野は加賀藩の醤油醸造の主要地となった。
・加賀百万石の城下町金沢という大消費地を持った
・日本海沿岸の要港として古くから開発されていた大野港の機能
・醸造に適した湿潤な気候
・白山からの伏流水に恵まれた
江戸時代の金沢は全国でも屈指の大都市でした。
大野醤油の特徴
白山からの伏流水が豊富に出て雨の多い湿潤な気候が醤油の発酵における麹菌の育成に適しています。
醤油作りにとても恵まれた環境です。
程よい甘さ。やや薄色。端麗甘口。うまくち醤油。
素材そのものの味・香り・色を引き立たせる。
大野町ではヤマト醤油と 直源醤油を筆頭に18社の醤油メーカーが集まっている。
最盛期では60軒以上の醤油醸造業者があった。
醤油の起源
紀元前700年ごろの中国の古文書に記されている「醤」(ひしお) がそのルーツではないかと言われている。
醤とは、食品の保存のための塩蔵品の一種に当たる塩漬発酵品のこと。
鎌倉時代の禅僧(覚心かくしん)が中国から帰国した。
それから、保存食の「なめ味噌」造りを広めた。
なめ味噌とは和歌山県湯浅町で大豆と大麦を合わせて作った麹に下漬けした野菜を混ぜて桶に入れ塩水を加えて発酵させた保存食
「なめ味噌」の製造工程で野菜から出る水分はコウジカビの腐る原因になるため捨てられていたが、捨てていた「上澄み液」で食物を煮ると、これまでにないうま味がついて煮物の味付けに良いことが発見された。
これが「溜たまり」と呼ばれる調味料(醤油の最初の形)の始まりといわれている。
お醤油の五大名産地と地方の特徴
千葉県野田 |
千葉県銚子 |
兵庫県龍野 |
香川県小豆島 |
石川県金沢市大野 |
関東型 | 芳醇辛口 | こいくち醤油 |
関西型 | 端麗辛口 | うすくち醤油 |
九州型 | 芳醇甘口 | あまくち醤油 |
北陸型 | 端麗甘口 | うまくち醤油 |
記事の内容はからくり記念館さんの展示情報を要約して作成したのものです。