石川県金沢市|からくりを学べる博物館
メモ
金沢港に近いところにあるからくりの博物館です。
からくりの歴史を学べると同時にからくり玩具で遊べたり実際のからくり人形などを観賞できます。
からくり玩具はちびっこも興味を持つパズルっぽいものから大人でも見破ることが難しいからくりが仕掛けられた小物などたくさんあります。
興味深い展示品が多いのできっと時間に余裕を持って訪れたほうが良いでしょう。
大野からくり記念館ではからくりだけではなく建物の構造にも興味を引かれます。
円形の木造建物や曲線の廊下なども観賞ポイントです。
建物構造・機械・人形・からくり・トリック・パズル・歴史が好きな人はもちろんのこと何も考えずに訪れても大野からくり記念館にきっと魅了されることでしょう。
駐車場
無料駐車場があります。
普通車20台と大型バス5台の駐車スペックです。
からくり記念館に用のない人(釣り人など)は当然ながら駐車禁止!
建物・建築
駐車場からからくり記念館を見てみると曲線を帯びたかわいらしい洋風の建物に見えます。
館内に入ると受付ロビーがあります。
そこから中庭とさらに奥側に木造建てと思われる円形の建物が見えます。
円形の建物は玄関側と細い廊下で繋がっているのですが全体的に凝った造りの建物構造なっていることが少しづつわかってきます。
受付ロビーと円形の建物は細い廊下で繋がっています。
廊下を歩いているだけでわくわくしてきますよ。
中庭には出れませんが楕円形の建物がとても立派です。
楕円形の建物の中にたくさんのからくりに関する展示品が並べられているのです。
建物の建築は、京都大学教授・建築家である内井昭蔵氏が北前船をイメージし設計しました。
建築に「からくり」性を持たせるため楕円形の平面形態とし、外壁に添って傾斜した二列の柱と放射線状に配置した梁による立体架構方式を採用している。
からくり記念館 館内情報より
建物の建築技術を観るだけでも楽しめますよ。
1996年4月に開館しました。
大野弁吉
大野弁吉はからくり記念館の主役なんですよ。
本名は中村屋弁吉。京都の生まれ。
1831年より大野町に永住した。
青年の頃に長崎に出て、理化学・医学・暦学・天文・鉱山・写真・航海など幅広い分野の学問を貪欲に習得。
ゼンマイの復元力を利用し入力信号によって次々と動作を変える茶運び人形は自動機械の原点。
精巧さも凄い。
水素ガス入りの本物そっくりの鶴を空へ飛ばした。
日本で初めて写真機を制作した。
白山の測量を行った。
科学を駆使し時計・ライター・写真機・望遠鏡などを考案した。
*からくり記念館の館内情報より要約
幕末の発明家・科学技術者とも呼ばれているようです。
中村屋弁吉さんは、大野町に来て大野町のお嫁さんをもらったので、大野町の弁吉さんと呼ばれるようになったのです。
見どころ
受付ロビー
受付ロビーに「からくり人形」が置かれています。
条件が合えば茶運びの実演を観ることができます。
廊下(エントランス)の突き当り
最初の長い廊下を進んで行くと突き当りに人形がいます。
ナレーションが自動的に流れ出し独特な雰囲気に包まれます。
米林八十八は大野弁吉に入門したんだそうです。
米林八十八が言うには
からくりは簡単にいうと江戸時代に作られた自動で動く機械時計やロボット人形のことだそうです。
からくりパズル体験のコーナー
からくりパズルが窓際にたくさん並べられています。
木で造られていて暖かみを感じますが、からくりを解く難易度はどれも高いです。
からくりパズルコーナーの最初の方に置かれていたペンギン親子です。
ペンギンの足元にちびっこペンギンがいましたが、どこがからくりなのかさえわかりませんでした。
繊細な造りだったのでかわいさだけを楽しみました。
からくりパズルコーナーの後半の方に置かれていたからくりパズルです。
これはあるところを〇〇しつつ〇を〇〇したら〇〇が開きます。
ほかにもたくさんのからくりパズルが並んでいる。
ちびっこも楽しめ大人も謎ときに苦戦します。
作品ごとにランプが添えられています。やわらかいライトアップになっていてとても和みます。
からくりパズルはどれも精巧に造られています。
その精巧さも観賞ポイントです。
修理されているからくりパズルがありました。
やさしく扱いましょう。
からくりの歴史と魅力のコーナー
大掛かりなからくりの作品が展示されていて、からくりの歴史についても学べます。
庶民の知識レベルも高かった江戸時代において、中国や西洋から伝わった新しい科学や技術は、庶民の好奇心を満たそうと日本独自のからくりとして進化したんだそうです。
糸とバネを使ったからくりです。
セミ鯨の歯(通称ヒゲ)のバネと三味線用の糸です。
からくりに使われる部品も現代の工業製品のように精密さが必要とされていたことがうかがえます。
作品の前にレバーが設置されていてレバーを倒すとからくりが発動します。
綺麗な女性の顔が・・・
ネタバレ注意!
鬼の形相に!!!
大きな装置です。
大きな装置の中段付近に丸い覗きレンズが並んでいます。
ぜひ覗きレンズから中を見てみましょう!
監修:ムトウユージ
声:大本眞基子
エレキテル体験のコーナー
エレキテルの店先の様子を再現したコーナーです。
エレキテルとは?!
静電気を発生させる摩擦起電器のこと。
摩擦で静電気を発生させるのだ。
エレキテルは医療に使われたり見世物としても使われたそうです。
芋掘り長者が現れ、手足・角度を変化させながらいろいろしゃべりまくります。
人形の下には演を動かす装置が観賞できるように設置されています。
円盤が縦に重ねられている箇所はオルゴールのようにゆっくり回っていました。
人形の各パーツを動かすタイミングが物理的に記録されているようでした。タイミングを変更することもできそうでした。
芋掘り長者の上演の開始時間は決まっています。
上演開始時間:10時・11時・12時・13時・14時・15時・16時
上演時間:10分程度
長椅子が置かれているので並んで座って演を観賞できるのだ。
展示品の中でも来場者に大きなインパクトを与える人形のひとつ。
からくりの動きがわかりやすいように衣装が外されています。
紐を静かにゆっくり引くと人形が動きます。
激しい操作は人形によくありません。
大野弁吉の技術のコーナー
大野弁吉を中心としたからくりの世界と、その人物背景や才能、人脈や活躍ぶり、彼の著述の中に見る技術等をパネルや実物資料で紹介してあります。
ここのコーナーは撮影禁止です。
詳細に記述された設計書・仕様書は細い筆で記されていて時代を感じとれたし現代技術の原点とも思った。
小さな日時計や季節とともに動く機械時計への進化も興味深かったです。
- 機械時計は、1551年 宣教師フランシ スコ・ザビエルが布教の許可を得るため大内義隆に献上したものが日本最初と言われている
- 西洋の科学や技術は、キリスト教と共にセミナリヨ(神学校)やコレジオで伝えられ、オルガンや時計天文機器の製作の授業も行われた
- 西洋では 1日を24等分するという「 定時法」が使われていた(規則正しい周期で時を刻むことのできる機械時計の発達の成果)
- 当時の日本は農業を中心とした社会で、日々形を変える月と日の長さによって決まる時刻制度 「不定時法」を使っていた
- 西洋時計は、季節の変化に合わせて生活していた当時の農耕中心の日本社会には馴染まず役に立たなかった
- 日本の技術者たちはその原理・製法をたちどころにマスターした
- 日本の生活に合わせ不定時法が表示できるように昼と夜とで自動的に切り替わる二つの周期を持たせたり、時刻を示す文字の間隔を変えられるようにするなどのユニークな工夫を試みた
- 日本の時刻制度に合うように改造し季節とともに動く機械時計を生み出した
- この和時計は世界でも日本だけが造り得た季節とともに動く機械時計
- 1690年刊行の職業一覧 「人倫訓蒙図彙」には”時計師”の項目があり専門化していたことが伺える
- 機械時計のゼンマイ動力を応用したからくり玩具が作られるようになった
展示のひとつに平たい貝の形をした「蛤喜見城」がありました。
とても精巧な造りでした。
大蛤が気を吐くと楼台(蜃気楼)ができると言われているそうです。
大野町・お醤油の紹介コーナー
大野醤油の誕生とお醤油の歴史などが展示されています。
とってもわかりやすくて見やすい案内でした。
お醤油の五大名産地に大野醤油がエントリーしているのです。
大野醤油の偉大さがわかりました。
神社
館内に小さい神社があります。
観賞ルートの最後のところにあります。
賽銭箱も置かれていました。
賽銭箱にはからくりは仕組まれていなかった。
館内のサービス
- バリアフリーでトイレも車椅子対応
- WIFI環境
- 英語の音声ガイド:展示品の説明を英語で聞けます(QRコードをスマホで読み込む)
子どもからくり体験棟
子どもからくり体験棟は別棟です。
別棟のため基本的には閉まっています。
本館にお願いしたら開けてくれるのかも。
幼児・児童が楽しめるからくりおもちゃが50点展示されている。
触れて遊ぶことができます。
鏡や錯覚を利用した体験コーナーもあるそうです
木を使った工作・加賀味噌づくりなどのたくさんの教室があります。
対象は小学生と保護者です。
予約して参加します。
バス停
からくり記念館の敷地内にバス停があります。
夏の期間では金石・大野の周遊シャトルバスも運行するようです。
ルート:金沢駅西口-金沢港クルーズターミナル-金沢港いきいき魚市横-大野からくり記念館-大野中央-金石-銭屋五兵衛記念館-金沢港クルーズターミナル-金沢駅西口
大野お台場公園
からくり記念館のすぐ近くに水が豊富な大野お台場公園があります。
LOCATION
住所 | 〒920-0331 石川県金沢市大野町4丁目甲2-29 |
TEL | 0762661311 |
開館時間 | 9:00-17:00 |
休館日 | 水曜日 |
*本文は記事投稿時の内容です