石川県金沢市|蓄音器の博物館
メモ
金沢の観光名所である東茶屋街の近くにある蓄音器・SPレコードの博物館です。
熱い想いで説明してくださった正装された男性の案内人(館長のように見えたが違うようだった?)によって楽しく観賞できました。
蓄音器の音色の聴き比べも決まった時間に開催されているそうです。(ふらっと訪れたときは時間外で聴き比べしていませんでした。とても残念。)
館の内外のデザインも西洋風で趣がありますよ。
デジタルでは表現できない暖かみのある音色が金沢蓄音器館にはあるのだ。
開館の経緯
初代館長が昭和50年代から蓄音器の収集を始めました。
蓄音器540台・SPレコード2万枚も集めたそうです。
もともと蓄音器で音楽を聞いていて音楽を通じて地域貢献したいとの思いがあったようです。
1996年11月には山蓄音聴館(やまちくおとぎかん)を開館し収集品を公開していました。
それらのコレクションは金沢市に譲り渡し2001年7月に金沢蓄音器館が開館しました。
初代館長のお名前は八日市屋浩志さん。
山蓄音聴館を開館してからレコード会社・オーディオ会社・東芝EMI・ビクターE・日本レコード協会の業界に感銘を与えるとともに多くの支援者がいるようです。
1937年から金沢市尾張町で山田屋蓄音器専門店を運営。
戦後ではオーディオとレコードの販売店である株式会社山蓄を経営し業績を拡大させた。
創業精神は「音楽を通して地域文化に貢献する」
半世紀に渡るコレクションは次世代にも承継させたいとの願いを込め金沢市に託した。
*1924-2003
金沢蓄音器館の建物の構成
3階建てです。
1階・蓄音器から広がる音楽やイベントに集う
サロン・多目的ホールです。
・受付
・ミュージアムショップ
・蓄音器が並んでいた(テーブルも並んでいて休憩もできそうだった。)
・自動再演ピアノ(1927年の米国製ピアノ)
・コインロッカー
・お手洗い
月に数回、鑑賞会やミニコンサートを開催しているそうです。
活発な館です。
2階・蓄音器の音を楽しむ
レコードのコレクションを展示。蓄音器の視聴ができます。
・レコード収蔵庫
・レコード展示
・聴き比べ実演コーナー
3階・蓄音器の世界に誘う
時代別に蓄音器を展示・LPレコードの視聴が可能。
・レコード収蔵庫
・LPリスニングコーナー
・明治期の蓄音器コーナー
・大正期の蓄音器コーナー
・昭和期の蓄音器コーナー
・蓄音器の森/蓄音器のメカニズム
LPとはLongPlayの略だ。
長時間録音(再生)できるレコードのことだ。
レコードは昭和時代の和楽・洋楽もいっぱいあった。
いろんなジャケットを観るのも楽しいですよ。
エジソンが蓄音器を発明したのは1877年
エジソンは高速通信機の実験中に音を記録・再生する機械の発想を得た。
音の振動による針先の動きで溝を刻み・その溝を針先でたどれば音の振動を再生できると考え蓄音器が誕生したのだ。
レコードの溝による波長の大きさ | ・長いほど低音 ・短いほど高音 |
レコードの溝による振幅の大きさ | ・大きいほど強音 ・小さいほど弱音 |
レコードのいろんな「針」もたくさん展示されていたよ。
しゃべる機械の口(ラッパ)
ラッパ部分が鉄製・紙製・木製でできた3種類のラッパによる聴き比べができるミニコーナーです。
木製は暖かのある音色鉄製はシャープな音色でした。
材質によって音色が異なるのがはっきりとわかった。
昔の人は好みの音にするため楽しみながらチューニングしたんだろうな。
ニッパー
世界的に有名なわんこです。
金沢蓄音器館ではたくさんいたよ。
1800年代の後半。ニッパー(わんこ)はイギリスの画家に飼われていました。ニッパーは噛み癖があったのでnip(挟む)から名付けられたそうです。ニッパーは犬同士の喧嘩に強かったそうです。飼い主が亡くなった後、飼い主が大好きだった曲(飼い主の声?)が蓄音器で流れるとニッパーは蓄音器のラッパから流れる音(声?)に耳を傾けたそうです。飼い主が亡くなった後は同じく画家であった弟がニッパーを育て蓄音器とニッパーの姿を絵にし商標を出願しました。その絵の蓄音器は「円筒形蓄音器」だったそうです。その絵をA社に持ち込んだところA社は犬は蓄音器を聴くはずがないとの理由で却下されました。続いてA社のライバル会社であるB社に持ち込んだところ持ち込んだ絵の「円筒形蓄音器」の部分を「円盤型蓄音器」に書き換えてくれればOKとの返事でした。それで現在の円盤型蓄音器に耳を傾けるニッパーの構図が出来上がりB社の商標として登録されました。
ニッパーの絵もかわいいが3Dモデルのニッパーもかわいいのだ。
館内のデザイン
ステンドグラスがあったりして素敵な館でした。
西洋風で装飾された館内だった。
LOCATION
住所 | 〒920-0902 石川県金沢市尾張町2丁目11-21 |
TEL | 0762323066 |
開館時間 | 10時 – 17時 |
休館日 | 火曜日 |
*本文は記事投稿時の情報です