石川県金沢市|昭和時代の博物館
メモ
戦後の昭和時代に関わる暮らし・娯楽・生活用品・電化製品の展示や金沢の郷土・行事・文化について展示しています。
昭和時代を体験してきた人にとってはとても懐かしく感じる展示ばかりです。
歴史ある建物は重要文化財に指定されていて建物自体にも観賞ポイントがたくさんあります。
ちびっこも楽しめます。
昔のコマ回しで遊んだり衣装を着て記念撮影したりオリジナル缶バッジを100円で作れたりいろいろ体験できますよ。
とてもほのぼのした雰囲気のある博物館でした。
駐車場
敷地に入って左の方に駐車場があります。
乗用車4台+身体障害者用駐車場1台でした。
舗装されていない敷地もあったのでそこも駐車できるのかもしれません。
身体障害者用駐車場からは館内に入館しやすいようにスローブが整備されていました。
建物の歴史
金沢くらしの博物館の建物は明治32年に旧石川県第二中学校本館として建設された建物です。
明治32年(1899) | 石川県第二中学校開校 |
明治34年(1901) | 石川県立第二中学校に改称 |
明治40年(1907) | 石川県立金沢第二中学校に改称 |
昭和23年(1948) | 学制改革で石川県立金沢第二中学校を廃校 校舎は金沢市立紫錦台(しきんだい)中学校として再スタート |
昭和45年(1970) | 三尖校舎を残し新校舎完成 |
昭和49年(1974) | 金沢市文化財に指定(後に県文化財指定) |
昭和53年(1978) | 金沢市民俗文化財展示館開館(現在のくらしの博物館) |
平成29年(2017) | 国重要文化財に指定 |
平成19年(2007) | 金沢くらしの博物館に改称 |
平成27年(2015) | 耐震工事 |
平成28年(2016) | リニューアルオープン |
石川県第二中学校の創立当時は本館と少しの建物だけだったけど建物をたくさん増築したそうです。
(雨天体操場・音楽室・テニスコート・プール・運動場・講堂・階段教室・理科室・等々)
現在は本館だけが残っている状態です。
明治の旧制高等学校と旧制中学校(金沢くらしの博物館)の本館が残っているのは金沢だけだそうです。
山口孝吉さん(1873ー1937)
石川県第二中学校のほかにも第三中学校、第四中学校の設計と工事監理も同時に行ったそうです。
第四中学校は県立小松高等学校記念館として保存されています。
明治6年(1873) | 旧鹿児島藩士の家で生まれる |
明治30年(1897) | 帝国大学造家学科卒業 石川県の建築事務に着任・工師(後に技師) |
- | 石川県第二中学校の建築図を設計した |
明治32年(1899) | 石川県を辞職(石川県第二中学校が完成する前に金沢を去ったようです) |
- | 海軍技師・文部省技師 |
明治40年(1907) | 東京帝国大学技師 |
- | 東京帝国大学校舎の整備に尽力 |
大正12年(1923) | 退官(この年には関東大震災があった) |
昭和12年(1937) | お亡くなりになられる |
平成26年に設計図面が見つかったそうです。
設計図面に山口孝吉さんのサインと押印があったことから山口孝吉さんが設計したことが判明したそうです。
建物のみどころ
建物は洋風意匠で設計者独自の装飾性が見られるそうです。
建物は左右の尖塔と中央の三角屋根が特徴で尖りが3つあるのことから三尖塔(さんせんとう)とも呼ばれています。(学校の時代から呼ばれているそうです。)
塔を見上げると尖塔が三角形に見えるからという説もあるようです。
また塔の部分は四面体になっているそうです。
左右の三尖塔と中央の屋根に避雷針が付いています。
お洒落なデザインです。
塔を見上げると尖塔が三角形に見えるからという説もあるようです。
また塔の部分は四面体になっているそうです。
館内受付の近くにある大きな柱時計が今も時を刻んでいます。
大正11年(1922)に精工舎が制作した時計だそうです。
ほとんどが当時の部品のままのため時間がずれたり止まることもあるそうです。ちょっと注意です。
階段の親柱に4本の縦溝が彫られています。
古代ギリシャ・ローマ建築様式から伝わるデザインでフルーティングと呼ばれているそうです。
この窓だけ小さく作られているそうです。
窓の外に廊下の屋根があったためサイズが小さくなったそうです。
部屋の扉の上にガラス窓があります。
昔のガラスが使用されているところがいくつかあるそうです。
昔のガラスをよく見てみるとガラスの向こうの背景がゆがんで見えます。
見極めポイントです。
板に施した透彫が建物のあちこちで見られる。
ペディメントや階段手摺などにも用いられているそうです。
旧第四高等中学校本館にも透彫がつかわれているそうです。
見どころや知りどころは他にもたくさんあります。
- ペディメント:大きな屋根の正面側に三角形の妻飾を見せて装飾性を高めている
- ドーマ窓:屋根に小さな切妻屋根が20カ所も設けられている
- レンガ基礎:建物の基礎はレンガ積で建設当初のもの(旧第四高等中学校本館と同じ積み方)
- ランプ吊り:ランプを吊る天井(重要な場所に設けられている)
- 1階窓の庇(ひさし):意匠にリズムをあたえている
- 外壁の塗装:何層にも塗り重ねられているそうです(時代によって建物カラーが変化した)
- 床下に用いられたもみ殻:防音のため2階の床下にだけ用いられている
- 廊下の小窓:当時の事務室の受付の小窓
- 小屋組:和小屋ではなく西洋式のキングポストトラス構造
1階
訪れたときはボートゲームの世界でした。
主に昭和以降のボートゲームやおもちゃが展示されていました。
展示品ごとに時代・対象人数・所要時間・遊び方の項目で説明がされていてとても分かりやすかったです。
どれも良い状態だった。
金沢くらしの博物館の企画展示はいつも心を掴むものばかりなのだ。
戦前の居間が再現されています。
他にも井戸ポンプ・カマドなどもあって触れるようでした。
靴を脱いで入れます。
おままごとができますね。
黒電話も触れる。
もしもしできる。
綺麗な朱色の和室のコーナーもありました。
昭和時代の電化製品が展示されています。
技術の進化をあらためて感じとれます。
ファミリーコンピューターやウォークマンもありましたよ。
金沢市の市電が廃止される以前の地図や昔の写真なども掲示されていました。
石川県第二中学校本館の歴史が紹介されています。
講義室としても使用されるそうです。
教壇に立ってみることもできますよ。
芸術的な花嫁のれんや金沢和傘なども展示されていましたよ。
金沢和傘は雪や雨の多い金沢の気候に耐えれるように作られている。
傘骨が太いのが特徴。
内側に色鮮やかな千鳥がけが施されている。
2階
金沢市が所蔵する国・市指定民俗文化財が展示されています。
国指定 | 加賀象嵌製作用具・北陸地方の木地製作用具 |
市指定 | 氷見晃堂使用指物製作用具 |
木地の生産地や工程についても学べました。
金沢の郷土料理や文化などが紹介されています。
金沢の方便についてのレポートが掲示されていました。
ここではオリジナル缶バッジを作ることができます。
小さい塗り絵に色を塗るだけです。
自由な絵を描くこともできます。
その紙を受付へもっていくと缶バッジにしてもらえます。
受付の作業は10分もあれば完成です。
作成には100円必要です。
思い出の缶バッジです。
昔の遊び道具(コマ回やけん玉など)などが置いてあり遊べます。
記念撮影スポットもありますよ。
下駄の種類はとてもたくさんありました。
ゆるきゃらと並んで撮影も良いですね。
サンセントウクンの変身セットもあるようです。
くらっしー と サンセントウクン(さんちゃん)
金沢くらしの博物館のイメージキャラクターとして2人のゆるきゃらさんがいます。
館内をより楽しい空間に演出してくれます。
くらっしー | ・本館に暮らしている ・長生きで物知り |
サンセントウクン(さんちゃん) | ・金沢のくらしについて勉強中 |
サンセントウクンの名称は建物の特徴を表しています。
三尖塔(さんせんとう)ですね!
バリアフリー・ベビーカーなど
博物館は皆にやさしい設計になっています。
・駐車場から館内へはスローブがあります
・障がい者用トイレがあります
・館内は2階建てでエレベータが完備されています
幼児にもやさしい設備があります。
・貸し出しベビーカー
・おむつ交換台
・ベビーキープ(男女両方)
また1階には休憩所もあるのでゆっくりできます。
AR
受付でARタブレットを借りて常設展示をAR観賞できます。
ARタブレットで体感できること。
・展示してある白黒写真がカラーに
・展示と関係するビデオがながれます
・柱時計の時報など音を楽しめます
・校歌を聞けます
ちびっこも楽しいかも。
回想法
館内には昭和時代の懐かしい物や情報でいっぱいです。
若い時の記憶を思い出すことで脳が活性化されるそうです。
忘れている思い出も蘇るかも。
LOCATION
住所 | 〒920-0938 石川県金沢市飛梅町3-31 |
TEL | 0762225740 |
開館時間 | 9時30分~17時00分 |
休館日 | 月曜日 |
*本文は記事投稿時の情報です