奥能登国際芸術祭の常設作品

奥能登国際芸術祭の常設作品
つばめ

令和6年能登半島地震および豪雨により閉幕後の常設作品も被害を受けてしまいました。

令和6年能登半島地震と令和6年奥能登豪雨による被害情報と展示情報を追記しました。
*2025年3月現在

奥能登珠洲復興応援企画展

期間を限定して金沢市で奥能登国際芸術祭の常設作品の状況および令和6年の地震と豪雨による被害状況の展示が開催されています。

場所金沢フォーラス1F
期間2025年3月15日 – 2025年4月13日
時間10:00 – 20:00
内容・令和6年奥能登地震の被害状況
・いま見に行ける常設作品
・奥能登曼荼羅の一部展示
・物販
にゃーこ

鑑賞してきました。
具体的な数字で被害状況が説明されていた。
被災した写真を多用し状況を把握しやすかった。
奥能登曼荼羅の救出劇から多くの方々の協力を得ながら復興が進んでいることを再認識させられた。

目次

常設作品について

奥能登国際芸術祭2023は2023年11月12日(日)で閉幕しました。
開催中は屋内作品と屋外作品の計49作品が展示されていました。

一部の作品は、閉幕後も引き続き常設作品として展示されることが決定しています。

にゃーこ

常設作品以外の屋外の作品はいつ撤去されてしまうのかな。

常設作品

2023年で下記の8つの作品が常設作品に追加され常設展示は計23作品となりました。

  • 大蔵ざらえ収蔵庫(屋内)
  • 松雲海風艀雲(屋外)
  • 風と波(屋外)
  • TENGAI(屋外)
  • Infinity 41.42.43(屋外)
  • 家のささやき(屋外)
  • なぜここにいるのだろう(屋外)
  • ボトルシップ(屋外)


本記事では奥能登国際芸術祭の常設作品の23作品の情報(地図も)をまとめてあります。
作品ごとの地図も見れます。(住所をクリックしてね。)

にゃーこ

見逃した人も23作品は鑑賞できるよ。
屋内作品の鑑賞は10人以上の事前予約が必要だよ。

奥能登国際芸術祭2023(閉幕)のレポートはこちら

閉幕前の全作品のレポートを掲載してあります。

屋内の常設作品

屋内作品の鑑賞は10名以上の事前予約が必要とのことです。
また屋内作品の鑑賞には作品ごとに鑑賞料金が必要です。

スズ・シアター・ミュージアム「光の方舟」800円
上記以外300円
被災による常設作品の状況は公式サイトに掲載されています
時を運ぶ船|The Boat Which Carries Time

塩田 千春|Chiharu Shiota

華やかさで圧倒されるアートです。あまりに真っ赤すぎて全身が赤色に照らされます。ホビーメイクのアクリル並太の日本製のトップ染めの糸で創られているそうです。華やかな作品と素朴な素材とのギャップに驚きです。複雑に張り巡らされた糸は船が記憶しているネットワーク網なのかな。

初期被害小規模
モニター2台破損・建物屋根の棟が破損
2025年3月現在展示中
被災状況
「光の方舟」|”Ark of Light”

スズ・シアター・ミュージアム|Suzu Theater Museum

プロジェクトマッピングによるアートがちょうど開催されていました。(70分間隔で開催されているらしい。)四季折々の波が映し出され光・音・煙・雪の演出がありました。置かれている船が浮かぶように映し出される波がとても綺麗。ラストの月が浮かび上がっていく光景に心打たれます。奥にあるテレビが消えてしまうのも心寂しい。じーんときます。館内はプロジェクトマッピングの他にもアートが並んでいます。

開館期間2023年12月8日から2024年3月31日
*以降は需要に応じて検討
開館日金・土・日・月
開館時間10時から16時
2023年12月26日から2024年1月11日は閉館
初期被害中規模
一部作品破損・建物外壁に亀裂多数
2025年3月現在修繕中
被災状況
幻想考"The Butterfly Dreams”|Practice for Mirages

さわひらき|Hiraki Sawa

幻想的な空間と映像の作品でした。いくつかの空間は単色の青色・黄色・うっすら白色。廊下は懐かしさと不安を感じる光。流れている映像は2つありどちらの内容も難しいですがとても引き込まれます。どれも夢の中で現れる光景かのようです。ちょっと熱っぽいときに見る夢に近いかも。自分の過去・現在・未来をも幻想してしまうアートでした。

初期被害中規模
作品一部破損・外壁に亀裂
2025年3月現在修繕中
被災状況
Autonomo / 図書室:カールステン・ニコライが推薦する子供の本

カールステン・ニコライ|Carsten Nicolai

作品展示場に近づくにつれてすぱーん!という音が聞こえてきました。展示場に入ってみると真っ白い空間に黒いボールがすぱーんっ!と凄い勢いで飛ばされていて壁と丸い板に跳ね返っていました。丸い板にボールが当たるとぼわわあああん・・と微かに音が聞こえるのが楽しかったです。

初期被害小規模
建物が一部破損
2025年3月現在修繕中
被災状況
記憶への回廊|Cloister to Memories

山本 基|Motoi Yamamoto

ブルーがいっぱいの作品です。回廊(廊下)には模様がぎっしり描かれています。手作業で描いたようで50日を要したと説明がありました。自分で描いてみることを少し想像してみましたがぎぶあっぷ。回廊を進むと塩でできた作品が。崩れないように息を殺しました。圧倒される作品でした。

初期被害中規模
作品倒壊・建物一部破損
2025年3月現在修繕中
被災状況
コスチューム×身体×スズズカ|Costume × Body × Suzuzuka

ひびのこづえ|Kodue Hibino

にゃーこ

初期被害状況:中規模
作品一部破損・建物一部破損

海の中のような世界でした。世界は繊細な布で飾り付けされていて風によってユラユラ揺れていました。浮遊感がありました。現実離れした衣装もたくさん飾られていて楽しいです。いくつかの衣装は実際に着用することができましたよ。アーティストのグッズも販売していました。

初期被害中規模
作品一部破損・建物一部破損
2025年3月現在修繕中
被災状況
あかるい家|Bright house

中島伽耶子|Kayako Nakashima

にゃーこ

初期被害状況:中規模
作品破損・建物傾き

日中に家屋の扉を開けて屋内へ。窓が無いため真っ暗なはずの家屋の中は外の光で明るくとっても綺麗。壁に丸い穴がアートちっくに開けられ全方位から光が入ってきていました。光はアクリル?で屈折するためかいくつもの光の色がありました。

つばめ

夜間のライトアップは未定とのことでした。*20231120

初期被害中規模
作品破損・建物傾き
2025年3月現在修繕中
被災状況
静かな海流をめぐって

金沢美術工芸大学アートプロジェクト

金沢美術工芸大学の有志によるプロジェクト。奥能登の美しさを山岳曼荼羅の手法で蔵の中を覆い尽くすように描写された「奥能登曼荼羅」や「いえの木」「いのりを漕ぐ」の作品があります。

2023年5月の震災の影響で奥能登曼荼羅は別の建物に保管し展示を中止し再展示を検討していたそうです。

初期被害蔵が正面窓枠のみを残しすべて崩れ落ちた
奥能登曼荼羅を保管していた別の建物も全壊
2024年3月に有限会社宮内工建さんの協力を得て全壊した1階から奥能登曼荼羅を救出した
2025年3月現在奥能登珠洲復興応援企画展で救出した奥能登曼荼羅の一部を展示
令和6年の被災状況
小さい忘れもの美術館|Small lost article museum

河口龍夫|Tatsuo Kawaguchi

本作品は屋外作品かも。

廃駅となった駅舎と線路からなる作品です。駅舎では駅長ごっこができます。コンテナの中では自由にメッセージを残せます。至るところに傘がいっぱい忘れ物されていました。思い出は忘れないように持ち帰りましょう。ちなみに作家さんは金津創作の森の野外作品も手掛けられています。

初期被害小規模
被害は特になし
2025年3月現在展示中
被災状況
大蔵ざらえ収蔵庫|Okurazarae Storehouse

スズ・シアター・ミュージアム分館|Suzu Theater Museum Annex

古いモノがたくさん保管されていました。ここは博物館の倉庫といった感じで創作・創造のアートを期待しているとちょっとがっかりするかも。時間に余裕があれば訪れてみたいところ。

初期被害中規模
民具一部破損・窓ガラス数か所破損
2025年3月現在修繕中
被災状況

屋外の常設作品

漂移する風景|Drifting Landscape

リュウ・ジャンファ(劉建華)|Liu Jianhua

凛とした珠洲焼館の建物の横に割れた珠洲焼がたくさん敷き詰められていました。よくよく見てみると陶器でできた長靴とか飛行機とかキーボードとかいろいろ混ざっています。割れている器も一度はきちんと作ったものなのかも。(違うかも。)ですので大きな時間と情熱をかけて創造されたのではないでしょうか。
追記:当初は海辺に置かれていたアートだったようです。

初期被害小規模
被害は特になし
2025年3月現在展示中
被災状況
Something Else is Possible / なにか他にできる

トビアス・レーベルガー|Tobias Rehberger

双眼鏡が設置されています。双眼鏡を覗いてはじめて本作品の素晴らしさがわかります!

初期被害小規模
ネオン管点灯せず・一部の線路に浮き
2025年3月現在展示中
被災状況
植木鉢|Flowerpot

大岩オスカール|Oscar Oiwa

大きな植木鉢です。大きな鉢には容量のリットル数が記述されているのできっと燃料タンクだったんだと思います。環境に悪そうに思える植木鉢に植えられた木は枯れることなくしっかり育っていました。
追記:大きな鉢は珠洲市の酒造の樽なんだそうです。

初期被害小規模
作品大丈夫・すこし隙間
2025年3月現在展示中
被災状況
石の卓球台第3号|Stone Table Tennis No.3

浅葉克己|Katsumi Asaba

つるつるの石でできた卓球台です。つるつるしているので球のバウンドも精度が高いと思われます。卓球は無風の館内で行うスポーツですが自然の風が卓球の楽しさに変化を与えます。ラケットは借りれるようで実際に卓球を楽しんでいる人もいました。青空の下とっても楽しそうでした。
追記:頑丈な石で創られているため屋外でも台の表面は劣化しないそうです。

初期被害強い中規模
作品大丈夫・敷地に地割れ
2025年3月現在修繕中
被災状況
うつしみ|Utsushimi(DoubleImage/Token/Emanation)

ラックス・メディア・コレクティブ|Raqs Media Collective

日中に本作品の魅力を感じ取ることは難しい。夜間では作品がぼわぁと青色ホログラムのように浮かび上がり美しいです。小屋の灯りもかわいい。かつての駅は時が流れても現在と存在を重ねています。

初期被害小規模
被害は特になし
2025年3月現在展示中
被災状況
珠洲海道五十三次|53 Bus Station of Suzu

アレクサンドル・ コンスタンチーノフ|Aleksander Konstantinov

おしゃれなバス停。バスを利用したくなります。バスを待つ時間も楽しくなりそう。バスが遅れても我慢できそう。本作品は4箇所のバス停にアートが施されています。

初期被害大規模
バス停破損
2025年3月現在不明
被災状況
松雲海風艀雲|Matsukumo, Umikaze, Hashikekumo (Pine trees, clouds, sea breeze and buoyant barge clouds.)

牛嶋 均|Hitoshi Ushijima

登って遊べる楽しい遊具でした。冒険心を試される構造です。空中の先端まで辿り着くのにはちょっと勇気が必要かも。
奥能登国際芸術祭の閉会後も常設される予定となっていてすべり台が追加されるそうです。

初期被害強い中規模
作品は地すべりで落下・敷地は地すべり
2025年3月現在修繕中
被災状況
風と波|Wind and Waves

奥村浩之|Hiroyuki Okumura

地盤がしっかり固まった大地に置かれている重々しい石の作品です。その石はエッジを効かせたラインで創造されていました。エッジは荒々しい波にも見えます。日本海の雨風による風化によって石の形に変化が起こるかもしれません。そういったこともきっとアートのはず。

初期被害小規模
作品一部破損・地面に段差
2025年3月現在展示中
被災状況
TENGAI

アレクサンドル・ポノマリョフ|Alexander Ponomarev

広場に立っていることもあり一見、電波塔のようにも見えます。無機質で無愛想な姿ですが塔の真下まで行ってみると風と構造によって奏でられる不思議な音が聞けて楽しいです。ぼああああっって音を出していてかわいいアートです。てっぺんまで登ってみたい。

初期被害小規模
帆の柱の傾きとワイヤー緩み
2025年3月現在展示中
被災状況
Infinity 41.42.43

リチャード・ ディーコン|Richard Deacon

光または電波を受信・反射させるようなオブジェクトが敷地の中に3つ置かれていました。きっと太陽と月の光や宇宙人からの電波をキャッチし受信・転送する装置で、3つそれぞれの位置は天文学に基いて計算された位置なんだと思います。妄想が止まりません。

初期被害小規模
被害は特になし
2025年3月現在展示中
被災状況
家のささやき|Home Whispering

ラグジュアリー・ロジコ(豪華朗機工)|Luxury Logico

家の屋根の部分だけのような大きな作品でした。隙間がたくさんあるのですが中に入ってみると日陰と木漏れ日で涼しく居心地がとても良かったです。瓦は一緒になっている細い木で動かすことができました。風の強い日は瓦が揺れたりするのかな?

初期被害小規模
被害は特になし
2025年3月現在展示中
被災状況
なぜここにいるのだろう|Answer me

N.S.ハーシャ|N.S. Harsha

海が目の前にある小さな公園にキリンの親子が。鮮やかな首飾りをつけています。キリンの親子は旅をしているのでしょうか。電波の受信機を装着していました。なぜここにいるのだろうと深く考えずにずっとここにいてほしいです。

初期被害小規模
被害は特になし
2025年3月現在展示中
被災状況
ボトルシップ|Bottle ship

小山真徳|Masayoshi Koyama

駐車場から作品のところまでちょっと歩きます。神々が乗っている木の船には水が溜まっていて小さな花の咲いた水草やメダカが生息していました。清々しい小さな世界です。メダカを眺めていると楽しい。この木船はアーティストの方が実際に木を掘って創作したそうです。説明してくれたガイドさんの説明がとってもわかりやすかった。すぐ近くの川に現れるホタルについても説明してくれました。

初期被害強い中規模
作品傾き・敷地地割れ
2025年3月現在修繕中
被災状況

潮騒レストラン

潮騒レストラン|Shiosai Restaurant

坂 茂|Shigeru Ban

奥能登国際芸術祭の拠点とも言えるスポットです。訪れた時はごはんタイムでとても混み合っていました。周辺にはごはん処が少ないこともありランチ難民になってしまうかも。ちなみに潮騒レストランにもスタンプラリーのスタンプがあります。

営業期間2023年12月8日から2024年3月31日
*以降は需要に応じて検討
営業日金・土・日
営業時間11時から16時
2023年12月25日から2024年1月11日は休業
初期被害小規模
什器備品壊れ・浄化槽破損
2025年3月現在修繕中
被災状況

常設作品のマップ

にゃーこ

常設作品のマップだよ。屋内と屋外を色分けして確認できるよ。

奥能登国際芸術祭実行委員会事務局

住所石川県珠洲市飯田町13‐120‐1
TEL0768‐82‐7720(土日祝を除く)
つばめ

奥能登国際芸術祭2023が閉幕した後の情報です。
最新の情報は公式サイトをご確認くださいませ。

*本文は記事投稿時の情報です

奥能登国際芸術祭の常設作品

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