奥能登国際芸術祭の常設作品

奥能登国際芸術祭の常設作品
つばめ

令和6年能登半島地震により閉幕後の常設作品も被害を受けました。
珠洲市の復旧の目処が立つまで公式サイトの更新も中止となっています。

目次

常設作品について

奥能登国際芸術祭2023は2023年11月12日(日)で閉幕しました。
開催中は屋内作品と屋外作品の計49作品が展示されていました。

一部の作品は、閉幕後も引き続き常設作品として展示されることが決定しています。

にゃーこ

常設作品以外の屋外の作品はいつ撤去されてしまうのかな。

常設作品

2023年で下記の8つの作品が常設作品に追加され常設展示は計23作品となりました。

  • 大蔵ざらえ収蔵庫(屋内)
  • 松雲海風艀雲(屋外)
  • 風と波(屋外)
  • TENGAI(屋外)
  • Infinity 41.42.43(屋外)
  • 家のささやき(屋外)
  • なぜここにいるのだろう(屋外)
  • ボトルシップ(屋外)


本記事では奥能登国際芸術祭の常設作品の23作品の情報(地図も)をまとめてあります。
作品ごとの地図も見れます。(住所をクリックしてね。)

にゃーこ

見逃した人も23作品は鑑賞できるよ。
屋内作品の鑑賞は10人以上の事前予約が必要だよ。

奥能登国際芸術祭2023(閉幕)のレポートはこちら

閉幕前の全作品のレポートを掲載してあります。

屋内の常設作品

屋内作品の鑑賞は10名以上の事前予約が必要とのことです。
また屋内作品の鑑賞には作品ごとに鑑賞料金が必要です。

スズ・シアター・ミュージアム「光の方舟」800円
上記以外300円
時を運ぶ船|The Boat Which Carries Time

塩田 千春|Chiharu Shiota

華やかさで圧倒されるアートです。あまりに真っ赤すぎて全身が赤色に照らされます。ホビーメイクのアクリル並太の日本製のトップ染めの糸で創られているそうです。華やかな作品と素朴な素材とのギャップに驚きです。複雑に張り巡らされた糸は船が記憶しているネットワーク網なのかな。

「光の方舟」|”Ark of Light”

スズ・シアター・ミュージアム|Suzu Theater Museum

プロジェクトマッピングによるアートがちょうど開催されていました。(70分間隔で開催されているらしい。)四季折々の波が映し出され光・音・煙・雪の演出がありました。置かれている船が浮かぶように映し出される波がとても綺麗。ラストの月が浮かび上がっていく光景に心打たれます。奥にあるテレビが消えてしまうのも心寂しい。じーんときます。館内はプロジェクトマッピングの他にもアートが並んでいます。

開館期間2023年12月8日から2024年3月31日
*以降は需要に応じて検討
開館日金・土・日・月
開館時間10時から16時
2023年12月26日から2024年1月11日は閉館
幻想考"The Butterfly Dreams”|Practice for Mirages

さわひらき|Hiraki Sawa

幻想的な空間と映像の作品でした。いくつかの空間は単色の青色・黄色・うっすら白色。廊下は懐かしさと不安を感じる光。流れている映像は2つありどちらの内容も難しいですがとても引き込まれます。どれも夢の中で現れる光景かのようです。ちょっと熱っぽいときに見る夢に近いかも。自分の過去・現在・未来をも幻想してしまうアートでした。

Autonomo / 図書室:カールステン・ニコライが推薦する子供の本

カールステン・ニコライ|Carsten Nicolai

作品展示場に近づくにつれてすぱーん!という音が聞こえてきました。展示場に入ってみると真っ白い空間に黒いボールがすぱーんっ!と凄い勢いで飛ばされていて壁と丸い板に跳ね返っていました。丸い板にボールが当たるとぼわわあああん・・と微かに音が聞こえるのが楽しかったです。

記憶への回廊|Cloister to Memories

山本 基|Motoi Yamamoto

ブルーがいっぱいの作品です。回廊(廊下)には模様がぎっしり描かれています。手作業で描いたようで50日を要したと説明がありました。自分で描いてみることを少し想像してみましたがぎぶあっぷ。回廊を進むと塩でできた作品が。崩れないように息を殺しました。圧倒される作品でした。

コスチューム×身体×スズズカ|Costume × Body × Suzuzuka

ひびのこづえ|Kodue Hibino

海の中のような世界でした。世界は繊細な布で飾り付けされていて風によってユラユラ揺れていました。浮遊感がありました。現実離れした衣装もたくさん飾られていて楽しいです。いくつかの衣装は実際に着用することができましたよ。アーティストのグッズも販売していました。

あかるい家|Bright house

中島伽耶子|Kayako Nakashima

日中に家屋の扉を開けて屋内へ。窓が無いため真っ暗なはずの家屋の中は外の光で明るくとっても綺麗。壁に丸い穴がアートちっくに開けられ全方位から光が入ってきていました。光はアクリル?で屈折するためかいくつもの光の色がありました。

つばめ

夜間のライトアップは未定とのことでした。*20231120

静かな海流をめぐって(展示中止中)

金沢美術工芸大学アートプロジェクト

過去の奥能登国際芸術祭で展示された作品です。現在は震災の影響で展示を中止し再展示を検討しているそうです。

そのため現在は鑑賞できていないのですがネットで過去に展示されていた情報で見てみました。古民家の中で木材をたくさん使用して荒波を表現している大きな作品でした。

小さい忘れもの美術館|Small lost article museum

河口龍夫|Tatsuo Kawaguchi

本作品は屋外作品かも。

廃駅となった駅舎と線路からなる作品です。駅舎では駅長ごっこができます。コンテナの中では自由にメッセージを残せます。至るところに傘がいっぱい忘れ物されていました。思い出は忘れないように持ち帰りましょう。ちなみに作家さんは金津創作の森の野外作品も手掛けられています。

大蔵ざらえ収蔵庫|Okurazarae Storehouse

スズ・シアター・ミュージアム分館|Suzu Theater Museum Annex

古いモノがたくさん保管されていました。ここは博物館の倉庫といった感じで創作・創造のアートを期待しているとちょっとがっかりするかも。時間に余裕があれば訪れてみたいところ。

屋外の常設作品

漂移する風景|Drifting Landscape

リュウ・ジャンファ(劉建華)|Liu Jianhua

凛とした珠洲焼館の建物の横に割れた珠洲焼がたくさん敷き詰められていました。よくよく見てみると陶器でできた長靴とか飛行機とかキーボードとかいろいろ混ざっています。割れている器も一度はきちんと作ったものなのかも。(違うかも。)ですので大きな時間と情熱をかけて創造されたのではないでしょうか。
追記:当初は海辺に置かれていたアートだったようです。

Something Else is Possible / なにか他にできる

トビアス・レーベルガー|Tobias Rehberger

双眼鏡が設置されています。双眼鏡を覗いてはじめて本作品の素晴らしさがわかります!

植木鉢|Flowerpot

大岩オスカール|Oscar Oiwa

大きな植木鉢です。大きな鉢には容量のリットル数が記述されているのできっと燃料タンクだったんだと思います。環境に悪そうに思える植木鉢に植えられた木は枯れることなくしっかり育っていました。
追記:大きな鉢は珠洲市の酒造の樽なんだそうです。

石の卓球台第3号|Stone Table Tennis No.3

浅葉克己|Katsumi Asaba

つるつるの石でできた卓球台です。つるつるしているので球のバウンドも精度が高いと思われます。卓球は無風の館内で行うスポーツですが自然の風が卓球の楽しさに変化を与えます。ラケットは借りれるようで実際に卓球を楽しんでいる人もいました。青空の下とっても楽しそうでした。
追記:頑丈な石で創られているため屋外でも台の表面は劣化しないそうです。

うつしみ|Utsushimi(DoubleImage/Token/Emanation)

ラックス・メディア・コレクティブ|Raqs Media Collective

日中に本作品の魅力を感じ取ることは難しい。夜間では作品がぼわぁと青色ホログラムのように浮かび上がり美しいです。小屋の灯りもかわいい。かつての駅は時が流れても現在と存在を重ねています。

珠洲海道五十三次|53 Bus Station of Suzu

アレクサンドル・ コンスタンチーノフ|Aleksander Konstantinov

おしゃれなバス停。バスを利用したくなります。バスを待つ時間も楽しくなりそう。バスが遅れても我慢できそう。本作品は4箇所のバス停にアートが施されています。

松雲海風艀雲|Matsukumo, Umikaze, Hashikekumo (Pine trees, clouds, sea breeze and buoyant barge clouds.)

牛嶋 均|Hitoshi Ushijima

登って遊べる楽しい遊具でした。冒険心を試される構造です。空中の先端まで辿り着くのにはちょっと勇気が必要かも。
奥能登国際芸術祭の閉会後も常設される予定となっていてすべり台が追加されるそうです。

風と波|Wind and Waves

奥村浩之|Hiroyuki Okumura

地盤がしっかり固まった大地に置かれている重々しい石の作品です。その石はエッジを効かせたラインで創造されていました。エッジは荒々しい波にも見えます。日本海の雨風による風化によって石の形に変化が起こるかもしれません。そういったこともきっとアートのはず。

TENGAI

アレクサンドル・ポノマリョフ|Alexander Ponomarev

広場に立っていることもあり一見、電波塔のようにも見えます。無機質で無愛想な姿ですが塔の真下まで行ってみると風と構造によって奏でられる不思議な音が聞けて楽しいです。ぼああああっって音を出していてかわいいアートです。てっぺんまで登ってみたい。

Infinity 41.42.43

リチャード・ ディーコン|Richard Deacon

光または電波を受信・反射させるようなオブジェクトが敷地の中に3つ置かれていました。きっと太陽と月の光や宇宙人からの電波をキャッチし受信・転送する装置で、3つそれぞれの位置は天文学に基いて計算された位置なんだと思います。妄想が止まりません。

家のささやき|Home Whispering

ラグジュアリー・ロジコ(豪華朗機工)|Luxury Logico

家の屋根の部分だけのような大きな作品でした。隙間がたくさんあるのですが中に入ってみると日陰と木漏れ日で涼しく居心地がとても良かったです。瓦は一緒になっている細い木で動かすことができました。風の強い日は瓦が揺れたりするのかな?

なぜここにいるのだろう|Answer me

N.S.ハーシャ|N.S. Harsha

海が目の前にある小さな公園にキリンの親子が。鮮やかな首飾りをつけています。キリンの親子は旅をしているのでしょうか。電波の受信機を装着していました。なぜここにいるのだろうと深く考えずにずっとここにいてほしいです。

ボトルシップ|Bottle ship

小山真徳|Masayoshi Koyama

駐車場から作品のところまでちょっと歩きます。神々が乗っている木の船には水が溜まっていて小さな花の咲いた水草やメダカが生息していました。清々しい小さな世界です。メダカを眺めていると楽しい。この木船はアーティストの方が実際に木を掘って創作したそうです。説明してくれたガイドさんの説明がとってもわかりやすかった。すぐ近くの川に現れるホタルについても説明してくれました。

潮騒レストラン

潮騒レストラン|Shiosai Restaurant

坂 茂|Shigeru Ban

奥能登国際芸術祭の拠点とも言えるスポットです。訪れた時はごはんタイムでとても混み合っていました。周辺にはごはん処が少ないこともありランチ難民になってしまうかも。ちなみに潮騒レストランにもスタンプラリーのスタンプがあります。

営業期間2023年12月8日から2024年3月31日
*以降は需要に応じて検討
営業日金・土・日
営業時間11時から16時
2023年12月25日から2024年1月11日は休業

常設作品のマップ

にゃーこ

常設作品のマップだよ。屋内と屋外を色分けして確認できるよ。

奥能登国際芸術祭実行委員会事務局

住所石川県珠洲市飯田町13‐120‐1
TEL0768‐82‐7720(土日祝を除く)
つばめ

本記事は奥能登国際芸術祭2023が閉幕した直後の情報です。
訪れる際には公式の情報をご確認くださいませ。

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